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3 介護保険導入前後での直接処遇職員の採用状況の変化

 

平成12年4月から介護保険制度が導入されたことに伴い、「特別養護老人ホーム」では利用者との関係が従来の「措置」から「契約」へと変わり、施設を巡る環境は大きく様変わった。このことから、特に「特別養護老人ホーム」に限って介護保険導入前後での直接処遇職員の採用状況について聞いてみたところ、「増やした」と回答した施設が56施設(回答があった施設の48.7%)と、ほぼ半数であり、「変わらない」の48施設(同41.0%)を上回っている。また、「減らした」とする施設も11施設(同9.4%)あったのは注目される。

「増やした」とする理由を重ねて尋ねたところ、調査票「その他」欄の( )内記入で、33施設が「介護保険導入後の職員配置基準を満たすため」とのことであった。これを施設の規模別にみると、規模が大きくなるほど「増やした」と回答した施設の割合が高くなっている。また、施設設立後年数別では「5年未満」の施設で「変わらない」と回答した施設の割合が最も高くなっている。職員の配置基準については、平成16年度末までは経過措置として従来の基準の適用が可能であるが、大規模施設を中心に、各施設では早々に新基準を適用させようとしているのであろうか。ただ、このことは一方において従来の「措置」から利用者個々との「契約」となるため、施設としては保険制度の導入時から新基準を満たして充実したサービスを提供することにより、利用者の確保を図ろうとしているのではないかとも考えられる。(第21表参照)

 

第21表 介護保険導入前後での直接処遇職員の採用状況の変化(「理由」のみ複数回答)

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4 直接処遇職員の雇用状況に関する施設長の認識

 

直接処遇職員の雇用状況について、施設長の率直な認識を尋ねたところ、「現状で十分」と回答した施設が103施設(回答があった施設の48.4%)と最も多く、次いで「不足しているが増員の予定なし」が42施設(同19.7%)、「非常勤職員の増員予定あり」が40施設(同18.8%)となっている。

これを施設の種類別にみると、いずれの施設においても「現状で十分」との認識が最も多いことは共通しているが、「身体障害者療護施設」及び「特別養護老人ホーム」で「非常勤職員の増員予定あり」が次いで多い回答となっているのが注目される。また、「やや過剰である」と回答したのが「特別養護老人ホーム」だけで4施設あったのは、介護保険の導入に伴う職員配置基準の改正が影響しているのであろうか。

 

 

 

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