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あとはブドウ糖だと思いますが、真っ白い固形でいくつかに割れるようになっていて、甘いだけのものです。そういうものが入っているだけです。ブドウ糖は小さな破片ですが、カロリーメイトのようなものも、いろいろなビタミンが入っていて栄養価値があると思います。

カロリーは箱に書いてあるのは2400何カロリーです。ちょうど20人乗りの筏だったのですが、そこに17名が乗ったんです。ですから1人にその2500カロリー近くのものが一つずつあるので、20個あるわけです。人間1日に2000カロリーとか2500カロリーがいるとということで食べてしまうと、後は何もなくなってしまう。17名だと三つしか残らないので、それよりは引き伸ばす食べ方のほうがいいと私は解釈して、チーフメイトに全部オーダーしてやってもらっていました。「10日ぐらいに伸ばして食え」というオーダーをしました。

実際はそれよりも少なくしたそうです。一塊を小さな破片を切ったのを、1人に一つずつという渡し方ですから、ちょうど一つの箱が一日持たないんです。二つ目に食い込むぐらいでした。カロリーで計算すると、多く見積もっても1日1人200カロリーぐらいしかありませんでした。通常2000カロリーいると言われているとすると、その10分の1ぐらいしか食べていなかったというのが現実です。

水も人間が生きていくのに最低でも1リッターいると言っていますが、とてもそんなに飲んでいません。実際に筏に積んでいた水が全部で60リッターあったのです。15リッターのタンクが二つあって、それ以外に500ccの小さいものが60本ありました。上のところをちょっと破って圧力をかけると本当に細い水が出てきて、単にそれで口を潤すという程度のものです。

両方で60リッターが全部です。一日に1人が1リッターも飲むという状態ではなく、海賊が一緒に置いていってくれた小さなコップが一つあったものですから、だいたい200ccぐらいは入るとみて、それを1人一杯飲むということでやってきました。だから200ccぐらいが1日の水の量です。もし1リッター飲まないと死んでしまうというのなら、その5分の1しかなかったわけです。寒いところだったらそれだけなくても大丈夫だと思いますが、実際に直射日光を受けないせいか、それほど蒸発が激しくなかったのか、その200ccでずっとやってきました。

 

 

 

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