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もう一つご参考までに付け加えておきますと、私に言わせると、37日の航海ですからコロンブスは大航海でもなんでもない。大航海したのはバスコ・ダ・ガマです。1488年に喜望峰をバルトラメウ・ディアスが発見する。その10年後1498年にバスコ・ダ・ガマが始めて喜望峰を回ってインドに航海しますが、あのときはまさに大航海なのです。彼はリズボアを4隻の船で出て、カーボ・ヴェルデ諸島に行くのです。ここで補給して一挙に大西洋をぐっと回って、喜望峰のちょっと北まで、いまのケープタウンのあたりまで直行しているのです。けっしてアフリカの沿岸航海をやっているのではないのです。

その航海日数は74日だったと思いますが、コロンブスの2倍かかっています。74日の航海といったら相当な航海です。それを彼はやっていたということは、やはりポルトガル人が大西洋東部の風と潮について十分な知識を持っていたからだと考えられます。バスコ・ダ・ガマの航海については、わからないことがたくさんありますが、いまお答えできるのはその程度です。

司会:どうもありがとうございました。ではお時間となりましたので、このへんで2回目のセミナーを終了させていただきます。増田先生、どうもありがとうございました。皆さまも暑い中どうもありがとうございます。セミナーはこのあと4回ございます。皆さまの出席をお待ち申し上げております。どうもありがとうございました。(拍手)

 

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○講師プロフィール

1928年生まれ。

東京大学文学部を卒業後、中南米と北アメリカの大学でラテン・アメリカ文化史を学ぶ。

東京大学教授、千葉大学教授、亜細亜大学教授を経て、現在に至る。

著書に「コロンブス」、「マゼラン」、「大航海時代」、「掠奪の海カリブ」、訳書に「カリブ海の海賊たち」、「世界探検歴史地図」、「図説・航海と探検の世界史」その他がある。

 

実施日:平成12年8月6日(日)

於:フローティングパビリオン“羊蹄丸”アドミラルホール

参加者:66名

 

 

 

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