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2. 電気溶接(でんきようせつ)

日本の造船業が長い間世界のトップの地位を保ち続けられたのは、すぐれた設計や工作法の開発、造船業に関連する色々な産業の発達があったからですが、そのほかに「電気溶接技術」の開発普及があったことも忘れてはなりません。電気溶接は、それまでのリベット工法にかわり建造日数を短くするとともに、船の強度をさらに高めることになりました。下の「全自動サブマージ・アーク溶接機」は、溶接する部分を砂状のコンポション(溶接中に接合部分を保護するもの)でおおい裸ワイヤを自動的に送り込むと同時にアークを発生させ、その熱でワイヤと母材(ぼざい)をとかして効果的に溶接するものです。この方法はとくに厚い板を接合するのに使われ、溶接の能率を大いにあげ戦後の飛躍的な船の進水量の伸びに貢献しました。

 

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サブマージ・アーク溶接機オートメルトSW-24型

 

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溶接風景

 

3. ブロック建造法(けんぞうほう)

ブロック建造法とは、大きな船体を150から300個くらいのブロックに分けたものを地上の作業場で造っておき、それを1個ずつ船台で積み上げていく建造方法です(おもちゃのブロックを使って、お城や車を作るときのことを想像すると分かりやすいでしょう)。

ブロック建造法が生まれた背景には、溶接技術の大幅な進歩があります。それまで船体部材の接合にはリベットが使われていましたが、溶接技術が進歩したことによりリベット工法よりも作業効率の良い溶接が使われるようになります。そしてブロック建造法によって、これまで船台(せんだい)の上で行われていた作業の多くの工程が地上の作業場に移されることになりました。船台上での不自然な姿勢での作業とそのために起こっていた事故やけがは、地上での作業を増やした結果少なくなり、作業中の安全性も高まりました。同時にそれまでの工法に比べ建造期間を大幅に短くすることができたため、ブロック建造法の採用は急速ないきおいで進みました。

 

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