3. 船の重さ(トンの起こり)
船の大きさを表わすのに、古くからトンという単位が用いられてます。商船のトン数は、税金を取り立てる目的から15世紀の初め、イギリスで初めて定められたといわれます。そのころ、イギリスでは商船に税金をかけるため酒樽を何個積むことができるか? ということで税金の額を決めていました。この酒樽の容積が40立方フィートで、酒をいっぱいにすると、2,240ポンドの重さがありました。この樽を空の時にたたくとタンタンと響いたので、タンと名付けられ、そのタンがなまって酒樽1個の重さを表わす単位をトンというようになったといわれます。
容積を表わす総トンと純トンは、航海のために必要な場所を除外した船の内容積を100立方フィート(2,832立方メートル)を1トンとして測ります。純トンは、除外する場所が総トンより多いです。排水トンは、満載した船が押しのけた水の重量(船の自重に等しい)をグラムトン(1トン=1,000キログラム)で表わし、載荷重量(さいかじゅうりょう)は満載(まんさい)できる貨物の重量を同じくグラムトンで表わします。
トンの種類
船のトン数
船の大きさを表わすトン数には容積で表わすものと、重量で表わすものとに分けられます。容積を表わすトン数には総トン、重量を表わすトン数には排水トンと載貨重量トンとがあります。
●総トン…船の容積を表わす単位で、客船、漁船などあらゆる船に使われます。
●載貨重量トン…船が積むことのできる貨物の重さを表わし、貨物船やタンカーなどに使われます。
●排水トン…船そのものの重量を表わし、軍艦や特殊船などあらゆる船に使われます。
船の大きさ
船の大きさを表わすには、長さ、幅、深さなどの寸法で表わす場合と、トンで表わす場合があります。
●船の長さ…船の全体の長さを全長といい、垂線間(すいせんかん)の長さが船の大きさや性能を表わすために最もよく使われます。
●船の幅…船の最も広い部分の幅で、フレームの外側(外板の内側)からフレームの外側までの水平距離をいいます。
●船の深さ…船の中央でキール(竜骨(りゅうこつ))の上面から、船側の上甲板(じょうこうはん)の下面までの距離をいいます。また水面から船底(せんてい)までの深さをきっ水といい、上甲板から水面までの距離を乾舷(かんげん)といいます。
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