3. 豪華客船(ごうかきゃくせん)“モレタニア”
“モレタニア”は、イギリスのキュナード社が、1907年(明治40)に建造した蒸気タービン搭載(とうさい)の豪華客船です。等間隔に4本の煙突が並んだ3万トンを超える大型船で、当時では誰もが考え付かないほどの大きな船でした。また、速力のほうも航海速力(こうかいそくりょく)25ノットと、当時としては驚異的な速さで、大西洋を最も速い平均速度で走った船に与えられるブルーリボン賞を獲得し、次々と自己記録を更新して22年間もその栄誉(えいよ)を保ち続けました。
“モレタニア”を建造した船会社キュナード社の歴史は古く、1839年(天保(てんぽう)10)サミエル・キュナードが2人の仲間とともに政府の補助企業として発足させたもので、当時の名前は「イギリス北アメリカ郵便会社」と言っていました。
現在、キュナード社にはイギリスの女王陛下と同じ名前を持つ“QEII(クイーンエリザベス2世)”と言う客室総数942室の豪華客船も有ります。“モレタニア”と“QEII”は、どちらもジョン・ブラウン社の造船所で建造された船です。