経済成長至上主義から、「足るを知る」心への転換を
さて、日本は、戦後の焼け野原から半世紀をかけ、見事に世界第二位の経済大国となりました。それは誰も予測しなかった奇跡的な出来事であったと思います。しかし、経済的繁栄を実現したものの、その先に何を目指すべきかという目標を見出すことができず、いまだにわずかな経済成長率のアップダウンに一喜一憂している状態です。
ベラー博士は、ご講演の中でこのような経済成長至上主義について触れられ、経済的繁栄のみが目的となってしまうことに警鐘を鳴らしておられました。今、人類は、エネルギーや資源の枯渇、環境の汚染という地球規模の問題に直面しています。今後も世界の先進諸国が経済成長を是とし、あくなき追求を続けていけば、近い将来、地球環境はその負荷に耐えきれず破綻することは目に見えています。
貧困から脱するために経済成長を目指す国は、世界を見渡せばまだまだあります。