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日本も小・中学校の教育の中から道徳、倫理というものが後退して、そのために心の問題がなおざりにされてしまったわけです。人間として生きていくうえでの心のもち方、先ほどお話がありましたが「人の人たる道」、つまり天道というものを誰にも教わらないで社会人となり、大人となっていったということが、戦後教育のいちばんの問題ではなかったかと思います。

今ベラー先生から、アメリカでも道徳教育というものを学校へ取り入れようということが言われ始めたけれども、政府からそういうことをしたのでは洗脳ではないか、思想統制ではないかということが言われている。やはりそれば、教職員の方々が自発的にモラル教育というものをやるべきだというお話があったわけです。

先ほどベラー先生に、日本でも学校教育に宗教を取り入れるのは非常に問題視されているという話をしましたら、先生は「アメリカでも、もともとあります」と教えてくださいました。アメリカの憲法上でも、公的な学校で宗教を教えてはいけないことになっている。しかし、「アバウト・レリジョン」と言われましたが、宗教に関しての一般的な講義はしてもいい。ですから一宗派に偏った教育は困るけれども、宗教全般について子どもに教育することは憲法違反ではないのだというお話でした。

 

 

 

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