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投票、政治への積極的参加、市民としての社会活動への参加(『孤独なボウリング』というタイトルは、ボウリング・リーグの衰退から採っています)、普段のつきあいや家族と一緒に夕食をとる、教会へ通い、何かに参加する、寄付をするといったことが、かつてより希薄になってしまったと述べているのです。残念なことにアメリカでもロータリー・クラブの会員数は急激に減ってきています。こうした例がたくさんあるということをパットナムは報告しています。

そして「帰属する」ということの性質が変わってきています。社会資本というのは、一種の規範と期待の中にあります。例えば社会で礼儀正しく行動すること、ほとんどの人が信頼できること―こうした基準が大きく下がってきています。

パットナムは世代の変化があると述べています。ほとんどの変化要素において、各世代が前の世代よりも低年齢化しはじめ、そして低年齢化したままとなっていると言うのです。そしてもう一つの重要な変化要素、世代ごとに変化があるものとしてテレビの視聴時間があります。一人当たりのテレビ視聴時間が増え、一方であらゆる形の社会参加が減っています。

 

 

 

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