二〇〇〇年十二月号の『諸君!』に五百旗頭真氏(神戸大学教授)などによる対論で、外務大臣くらいは英語をしゃべる人にせよという記事がありました。一億二千万人すべてが英語をしゃべる必然性はないと思いますが、少なくとも政治の場にいる人間は、まずTOEICやTOEFLで一定の基準に達しなければなれないとしたらどうでしょう。
ただ、最近の新人議員の中には、道具としての語学を学んで、そして自由に使える、そして、対外的に億劫にならない新人類たちがかなり増えてきています。政治がいろいろ国民の期待にこたえる上で、面白い人材が出てきたということで、非常に楽しみだなと思っているわけです。
秋元一峰 太田さんの言われました「非欧米型の自力近代化を成し遂げた国日本」の起点は、明治維新にあったと思います。日本が海外に出ていった歴史は何度かあって、白村江の戦い、秀吉の朝鮮出兵、明治維新、そして太平洋戦争もそうでしょう。海外進出の後、島国に戻ることなく、そのまま雄々しく海に出ていったのは明治維新でした。そこに海洋国家日本、つまり、欧米と共通点を持ちながらしかも非欧米型の近代化国家日本、をつくり出した原点があると思うのです。日本人は今、ルネサンス的に明治維新に立ちかえってみる必要があるのではないでしょうか。日本人はモチベーションさえあれば海洋国家としての資質を発揮する民族です。ただ、残念ながら今、日本を外に向けてくれるような刺激がないのです。