今、日本人というのは、確かにいろいろな議論を、教育改革や憲法改正から経済改革までしているわけです。そのときに世界からはグローバリゼーションそのほかで、ああしろこうしろと言ってくるわけですが、これを巧みに選択的に採用して、日本独自の問題解決のモデルをつくり上げる、そして、世界が、なるほどそういう解決方法があったのかと感心する、そういう二十一世紀の超近代文明を日本国土につくり上げるということが、実は日本の世界的貢献であり、地域的貢献だろうと思うわけです。多分南北問題の解決というのも、日本がODAを、お金をばらまくということではなくて、南の世界が「なるほどそういう生き方があったのか」と思うようなモデルを日本人が国内に築くということで、南北問題の解決に寄与し、超近代文明の形成に貢献する、そしてさらには東アジアの地域協力体制の強化に寄与する、こういうことではないかと考えるわけであります。
小林学 日本は戦後に、歴史的な文化のすべてを全面的に放棄しました。そして、欧米型の民主主義、自由主義の教育に、文部省も国を挙げて一生懸命精を出したというのが実状です。