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特に琉球王国が中国から東南アジアにかけて「大交易時代」というものを展開した歴史的遺産なども、われわれにとって大きな参考になる財産ではないかと思った次第です。それを踏まえて本日の太田さんのご提言を受けとめると、一つ一つ符号しているところもあるような気がして、話を聞かせていただいた次第です。

 

江畑謙介 まず、日本は何をなすべきかというところで、世界秩序レベルおよび地域秩序レベルと二つに分けられたのは、非常にわかりやすく、またかつ具体的で現実的だろうと思います。世界秩序レベルでは、経済的なものと知的なものが挙げられていますが、私も南北の安定に関しては経済的貢献しか方法がないのかなと思います。一方、知的なレベルでは、欧米の文化・文明が世界を制しているという状況がここしばらく変わらないとなると、日本の場合には知的な分野で主導権、あるいは先頭を切ることはなかなか難しいのではないかと思っています。

次に、地域秩序レベルで何ができるかという点で、一つ提案を具体例で述べさせていただきます。海洋国家日本としての貢献で、西太平洋地域における海洋の自由利用の確保というテーマがあるのではないかと考えます。

 

 

 

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