日本財団 図書館


あと、日本には、適度な抑止効果があったほうがいいとの話でしたが、抑止効果は適度だからまずいので、はっきりアメリカが、これは見捨てないと言ってしまえば、抑止効果はもっとはっきりします。それに対して、日本のコミットメントは集団的自衛権の行使が決まれば非常に強いです。非常にしっかりした抑止効果になります。

あと、中国の圧力に対する日本の抵抗力については、これは持論ですけれども、ヨーロッパのほうはもう安定してしまいましたけれども、アジアというのは先行き、ほんとうにいろいろなことがあって、ごたごたする可能性があるのです。つまり統一朝鮮もそうだし、中国もそうだし、極東ロシアも十年たつとどうなっているか、ほんとうに力関係も非常にわからない。ですから、非常に変数の多い多次元方程式なのですけれども、一番その中で値の多いのは何かというと日米同盟なのです。日米同盟が強かったら、少しぐらいほかの要素が動いたって関係ない。軍事力が圧倒的に強いですし、経済力だって、その連中が欲しがっている資本も技術もマーケットも独占状態ですから。だから、いかなる多次元方程式であっても、日米同盟さえしっかりしていれば、ほかが少しぐらい数値が動いても、あまり影響ないだろうと思います。

ですから、今後日中関係をどうするかと聞かれますと、私はすべてこう答えています。つまり、中国との友好どうのこうのと言いますけれども、答えは日米同盟を強化しておけばいいと。今後の統一朝鮮対策はどうすると聞かれたら、これも日米同盟を強化しておけばいいと。将来の極東ロシアをどう扱うと聞かれたら、これは日米同盟を強化しておけばいいと。答えはそれで、私はいいと思うのです。それを結論にいたします。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION