あるいは続いた結果、分裂してしまうのではないかと。これは別にそういう可能性は否定しませんけれども、私みたいに情勢判断をやっていますと、情勢判断というのは心配なことを心配するのですね。心配ないことは心配しないのです。中国がほんとうにいい国になって、ほんとうに平和的になったら、これはもう別に心配することはないのです。ばらばらになって分裂してしまったら、これも中国は迷惑しますけれども、こちらはそれでいいのです。それはそうなったときに考えればいいのです。やっぱり心配すべきことを心配するのが情勢判断なのです。
しかも、その可能性が五割以上あるのです。今のままの経済成長をして、軍が強いですから、軍事力がだんだん強くなってくる。それで依然として、ナショナリズムの国家である。
それから、台湾が取られても、日米の海軍力が強いから大丈夫ではないかという話と、また、台湾を取れないのではないかという話もある。これは将来の戦略の見方なのですけれども、中国とアメリカが一対一で戦争して、中国が勝つということはあり得ないのですよ。半世紀たってもあり得ない。だから、何かの形で勝つという形なので、ある程度強くなって、アメリカが守るためには相当な犠牲を覚悟しなければいけなくなって、そのときに孤立主義的な風潮があって、見捨てるとか、そういうシナリオ以外にはあり得ないのですね。