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一方、BMDを導入して自分で守ると決めても、どうしても早期警戒システムとはアメリカと一緒になるだろうから、その点も考えねばならないと思います。

技術的に可能かどうかという話ならば、高い効率での防御は非常に困難です。ですけれども、これは使わないための、まさに核兵器と同じものであって、それが抑止力となり得るか、弾道ミサイルが政治的恫喝として機能しないように相殺できるかどうかという点から考えねばならない話だろうと思います。

 

岡崎久彦 まず、今後の世界情勢はどうなるかというご質問。これはおそらく世界の政治秩序が変わるという想定があられるのだろうと思います。同盟関係ではなしに、大国間の協調でいくとかね。しかし世の中は変わらないというのが私の考えです。たしかにヨーロッパは変わります。ヨーロッパは半世紀、戦争がありません。ロシアの脅威もなければ、ドイツの脅威もないですからね。しかしアジアは、昔ながらなのです。アジアの状況というのは、中国を中心とするバランス・オブ・パワーの政治と観念するのが一番正しい解釈だろうと思います。

それで、中国問題を話すと必ず出てくるのですけれども、中国が一体、いつまでもこのままでいるだろうかと。経済成長が大体、続くかどうかわからない。続けば続いたで、もっといい国になるだろう。

 

 

 

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