と言いますのは、中国にとってみれば、武力を発動せずして、一つの中国」の理念が達成できる。例えば中国と台湾の間ではかなり経済的相互依存が進み、台湾自身の経済も中国にかなり頼らないと生きていけない状況になりつつあると思うのですが、陳水扁自身の対外政策は一つの中国」の前提に基づいて、もっともっと議論をしようということです。それが、実はかなり台湾にとって不利で、中国自身、武力を使わずして「一つの中国」を実現できるような可能性を持った政策を、陳水扁自身がやっている。そんな危ない感じが私にはあるのです。
秋山昌廣 先ほどのTMDのことで、私が今、アメリカで主張していることをちょっと申し上げておきます。
NMDとTMDというのは関係は非常にありますし、日本は今、アメリカとTMDを共同開発していますから、NMDについて、そうアメリカを刺激したくないという外交方針は、一つの方針として私もわかるのですけれども、基本的にNMDとTMDというのは違うものである、ということをよく認識しておくべきだと思うのです。