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遠藤浩一 「中国が現在公言している政策を変更せず、米国の議会、世論がほぼ現状レベルの台湾同情の傾向を将来も維持して行くと想定した場合、米中は明らかに対立路線を歩んでいる」という岡崎さんのご指摘は、まったくその通りだと思います。さらに言うならば、米中が対立路線を歩んでいることそれ自体が中国に対する抑止機能になることを忘れてはならない。つまり、米中の適度な対立関係というのは、日本の安全保障上むしろ歓迎すべき環境と言えるわけですね。となると、日本にとって重要なのはそういう「対立関係」にどうコミットしていくか、でしょう。もちろんそれは、日米同盟を日本の国益に沿った形できちんと機能させるということにほかなりません。

さてお聞きしたいのは、集団的自衛権行使をめぐる現在の奇妙奇天烈な政府解釈についてです。現在のような「保持するが行使できない」などという矛盾した解釈を続けていては早晩日米同盟の空洞化をもたらすことになるのではないでしょうか。

 

山田寛 私は読売新聞社の国際会議の運営に七年かかわりました。その間、一九九五年ですが、当時台北市長でニュースターと言われていた陳水扁氏を会議に招聘したことがあります。

 

 

 

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