また、ソ連と中国にしても、ミサイル防衛の技術開発でアメリカと競争をすれば、アメリカに追いつけないから、それが嫌なのですね。ですから、アメリカが技術面で進むことは、日本の利益にもなるのです。
ただ、それではどのようにつき合うかという話がある。戦略としては、適当につき合えば、それでいいと思うのです。しかし、何が適当かというと、日本ほどの国が適当にといって数億円では済まないので、やはり腰を据えて、少なくともイージス艦搭載まではつき合えるぐらいのことまでいかなければいけないのでしょう。
太田博 まず第一点は、中国は南シナ海の制海権を取るために台湾を手にしようということではなくて、台湾というのは中国にとってはメンツの問題、歴史の屈辱を晴らす問題だから、台湾を取って、その結果として、南シナ海の制海権を取るということだと思います。
第二点は、確かに中国が台湾に手を出すかどうかというのは直接的には軍事力のバランスの問題であり、アメリカがどういうふうに反応するかの問題で、それが鍵ですけれども、他方、一つ一つを取れば限界的には大した効果がなくても、そういうものがたくさん積み重なった結果、中国に対する相当な抑止力が出てくるという可能性が考えられないかということです。