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今の江沢民国家主席には力はないし、中国にこれからは台湾を併合するようなことをする力のある指導者は出ないのではないかと思うわけです。戦後五十年干戈を交えることがなかったので、これからもないでしょう。ただ、そのために、国際社会が良い環境を醸成するためにいろいろな努力をする必要があり、日本もそれなりに手伝う必要があります。その良い例がアジア太平洋経済協力会議(APEC)で、台湾はチャイナ(タイペイ)として、中国と台湾の双方が参加している。こういったことを、日本がアメリカと相談してやっていく必要があるのではないかという感じがします。

 

小池百合子 私はマスコミの金正日総書記に対する評価のあまりの変わりように、これでいいのかという疑問も持っております。なかには、これでもう朝鮮半島の平和が来るとか、沖縄米軍の位置づけも大きく変わってきて、これまた平和が来るといった、すごく短絡的な声があります。中国との関係では、私はむしろ、米軍のプレゼンスや意味合いが増していくのではないだろうかと思うのです。

台湾問題については、今回の陳水扁氏の総統選での勝ち方を考えますと、宋楚瑜氏が出馬したために、漁夫の利を得た形になっていますね。その宋氏は、むしろ北京との関係が強いとも伝えられております。

 

 

 

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