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海洋でも、海上テロや海賊への対処、海洋資源・環境をめぐる問題への取り組みの中で、RMAによる革命的情報技術が、軍事に限定されず、広く海洋問題全般に時を経ずに、かつ、グローバルに適用される時代がくることが十分に考えられます。安全保障に対してポジティブな姿勢を有する国家がIT革命をリードする、とも言えます。海軍から生まれたリモート.センシングや監視技術は、海洋の資源管理や環境保護の目的にも効果的に活用できます。日本が海洋資源.環境保護の面で国際貢献に乗り出すとすれば、それは、まさに二十一世紀型の海洋国家として、海洋の平和と繁栄のためにイニシアティブを発揮することになるのではないでしょうか。

 

伊藤憲一(司会) これまでの議論では海洋国家というのは、「海の重要性を踏まえて、世界にかかわり、世界に開いていく日本」という議論だったのですが、きょうの議論で新しく加わったことは、その具体的な方法、手段として、情報革命、さらに最後の石井さんのご発言でバイオ、こういった「技術革新の道を通じて日本は世界へ出ていくのでなければならない」というような方向が見えてきて、次回、次々回は、「そのためにどのような地域秩序、あるいは世界秩序を日本は構想すべきか」という方向に議論を導いてゆくべきではないかと感じました。

 

 

 

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