高島肇久 石井さんがおっしやった、モバイルの革命が起きることが、新しい海洋国家および海洋国家によってでき上がる新しい世界につながっていくのではないかということに大賛成です。モバイル革命というのは、高速光ファイバーネットワーク網の建設や市内回線網の充実といったインフラ整備に金をかけなくても、また、パソコンという難しい機器に慣れなくても、人々がどんどんネット社会に参画できるという、今まで予想もできなかった世界を創出しているのだろうと思います。
そのことを考えてみますと、日本はまさに、官民挙げてその革命を積極的に推進する方向に向かっていくべきだと思うのです。しかし現実は、省と省の間の対立どころではなくて、郵政省の中で局同士が主導権争いをして、方向性がはっきりしないという問題すら生じています。それから、残念ながらNTTドコモはどうもiモードの成功に酔いしれてしまって、モバイル革命の将来構想とその世界への展開といったビジョンを描いたり、当面欧米や他のアジア諸国との互換性をどう構築していくかという現実の問題についても対応が遅れているように思われる節があります。