IT産業に限った話ではないと思うのですが、情報化時代に対応するためには、やはりもっと大胆に迅速に組織改革を断行しなければいけないと思うのです。例えば、一番シームレスでボーダレスにならなければいけない情報通信分野が抱える今一番の問題というのは、郵政と通産にその管轄が引き裂かれているということです。インフラは郵政で、その上のアプリケーション、コンテンツは通産の管轄ですので、大蔵省に予算を要求する場合も、また税制を改革していく場合も、IT分野として本来共同で作業して要求や改正をしなくてはいけないのに、バラバラに大蔵省にあたってしまう。やつと一昨年の「百万円までPC関係即時償却」という税制要望を行う際、通産の要望に郵政も乗ってもらえて一本化ができましたが、両者が手を組んでもらえるまで数週間、永田町と霞ヶ関を奔走する毎日でした。
とにかく、今後日本がサイバースペースというフロンティアの荒波を本気で渡っていき、新時代の海洋国家とならんとするなら、政府の組織改革を早急に行わねばと改めて痛感しています。
防衛関係では、今度、次期防でもサイバーテロ対策に力を入れようということになりまして、このところ防衛庁も大分認識が変わってきました。ただ実際にその対策をどのように実行していくかというと、それぞれの三軍と統幕の構造を、現在のストーブパイプ型から、どれだけシームレスにできるかという問題に大きくかかわっていて、これは頭の痛い問題だと思います。