小学五年生ぐらいで、説明書はもちろんあまり読めません。ということは、言語と同じところに入ってしまうのではないかというわけです。第一外国語的なところです。たまたまiモードは第一外国語のようにうまくハマるようにつくられているらしいのです。ですから、覚えてジワジワと学習して刻苦勉励なんていうのではなく、わかってしまうのです。それがネット・ジェネレーションなのです。
アメリカの場合、一九七七年以後に生まれたのがネット・ジェネレーションの一応の時代区分になっているのですが、今、人ロセクターで一番大きい割合を占めています。ですから、プリント・ジェネレーションは本当に住みにくい世の中になってきました。それで、ネット・ジェネレーションについていろいろと研究するわけです。調べますと、明らかに一つの特色があるのです。これは「マルチタスク」と言って、ジョブを同時に二つ以上やるのです。われわれは、二兎を追う者は一兎をも得ずという教育を受けているし、できないですね。
しかし、iモードで考えてみると、フットワークとネットワークを一緒にやっているのです。従来はフットワークを犠牲にしてネットワークをやるか、ネットワークをやめてフットワークをするかどちらか二者択一でした。これは「シングルタスク」と言いまして、コマ切りにしてシングルタスクを組み合わせていくというのが、複雑系の前の工業社会の理論だったわけです。それで、マルチタスクや複雑系にすると、すぐカオスになって「ゆらい」でしまう。