石井威望 鎮守府のお話がありましたが、日本の大手海運業は鎮守府的なものから脱皮しようとしています。例えば、シアトルに情報ネットワークの本部を置き、コンテナ一つ一つを単一システム化しようというような方向に動いています。少し前までは、これをやるにはコスト的に大変で、それこそ鎮守府方式でした。今、それをネットワーク方式にシフトをし始めたところです。
それから、非常にゆっくりにしか動かないという点については、例えば火力発電所は八時間前から準備して動かさないとだめなのです。ということは、明日の温度を一度予測を間違うだけで、大変な影響があるのです。ですから、リードタイムが要れば要るほど、予測をものすごくしなければいけないので、その点ではシミュレーションしたり、いろいろな情報を集めるということになるわけです。
ですから、今まで鎮守府でやっていた背景には、ゆっくり処理していいということではなく、大きいリードタイムがあれば、今決めたことを相当きちんとやっておかないと困り、そのために相当徹底的に予測、シミュレーション、データ収集をやらないと、あとで取り返しつかないということがあるわけです。そういう意味では、バイファーケーションというのですが、分かれた後、大分先でどうなるかというようなことをやっています。
それからもう一つは、いわゆるネット・ジェネレーションです。ネットワーク育ちで、生まれたときからネットワークが当たり前という人たちです。