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島国の利点は何かと考えると、海外の文物や科学技術制度の吸収が容易であることだと思います。大陸国家の場合は必ずしもそうではない。重要なことは、日本からの発信も容易であるということではないかと思うのです。果たして日本が情報革命時代における海洋国家をめざしていく上で、指導者の見識やリーダーシップがあるかどうか、むしろ、私はネガティブな感じです。

シンガポールの場合、指導者の見識やリーダーシップがあってここまで来た。日本の場合には、これは日本固有の文化の影響もあるのですが、どちらかというと、没我的、要するに我を没する文化であります。陽の文化に対して陰の文化であります。西洋の文化が物質文化、外向的であるとすると、日本の文化は内向的、没我なのです。そして、どちらかというと、自己主張しない。こういうことが大きなネックになってきているのではないでしょうか。いくらすばらしい議論をしても、指導者がリーダーシップを持ってくれなくては困るという感じがします。

 

石井威望 シンガポールから日本へ弔問外交で来た人たちがNTTドコモを訪問したそうですが、NTTドコモの人は、シンガポールを非常に評価していました。シンガポールや北欧三国とかの小さな国は、モバイル・インターネットにものすごい興味を持っており、実績もあるのです。

 

 

 

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