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この荷酷係数というのは波及効果が非常に大きく、これがオン・ボードからオン・スペース(on space)になり、ついに今、オン・ウェブ(on web)になった。最近よく何でもオン・ザ.ウェブと言う。「もっと詳しく聞きたかったら、オン・ザ・ウェブでどうぞ」という言い方もある。

そもそも海というのは、もともと風とか波があって、ゆらぎやリスクがあって、沈没があるから、保険をかけてまで貿易をやって儲けようという世界である。ある種の危険が前提になっている。バスコ・ダ・ガマ以来、儲けの大きい航海路には海賊もいるし、とにかく危険に満ちている。しかし、情報があれば、例えば台風が接近していることを衛星で見れば台風に遭遇することもないし、追い風を使って燃料を節約するというように台風をうまく利用することまでできる。そういう着想は昔からあったが、現実にやれるようにしようと思ったら、荷酷係数を大きく上げる技術が必要で、特にこれは一九七〇年代ぐらいにICが出てきたときに決定的に変わった。このような歴史を経て、i海洋への技術的な準備が整ったのである。

 

 

 

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