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今後、中国での展開まで考えると、電話線はほとんどジャンプして初めから携帯電話が普及していくだろう。携帯電話が入ってきているとき、インターネットをわざわざ電話線を引いてパソコンでやるかというと、それはやらないだろう。結局、iモード的なものになっていくだろうというのが今の見通しになっている。モバイル・インターネットとアジアというキャッチフレーズはそういうことを意味しており、パソコン以外にもう一つやり方があったということがもっと大事で、パソコンをべースにしているマイクロソフトのビル・ゲイツなどは、相当なショックを受けている。

iモードは一九九九年二月二十二日から売り出されたが、初めの半年近くは低調だった。それは、あまりコンテンツがなかったためである。しかし、状況は変わり、その中で私が一番注目しているコンテンツは俳句である。二〇〇〇年初めからiモードでの俳句会が始まっている。山形の『奥の細道』で芭蕉が名句を詠んだ山寺でやっているというのを聞き、私どもの研究員がまだ雪が一メートルぐらい積もっているところに行って調査したが、病身で六十歳くらいの女性が、大雪があるから友達と句会をやるのにはiモードが都合がいいと言っていた。

もう一つ、iモードの中に三省堂の有料の公式サイトで『歳時記』が入っている。このビジネスも、さっきのバンダイのキャラクターと同じである。三省堂はもともと『歳時記』を出版物として版権を持っていた。

 

 

 

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