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なお過給器付原動機の採用は負荷の特性上避けたい。

起重機では巻下時のバックパワーが問題となるが、原動機に吸収させるバックパワーは特に根拠がない場合、原動機出力の20%で計画する。

 

6.4 電源装置

6.4.1 電源、電圧

(1) 交流方式の電源

起重機船の動力源に、交流方式を採用する場合は3相、60ヘルツ(Hz)、電圧450ボルト(V)を使用する。

 

〔解説〕

交流、直流のいずれの制御方式を選ぶかは作業の種類よる。微細、しかも広範囲に速度の制御を要する場合には直流レオナード方式又はインバータ方式によれば問題はないが、価格の点では二次電力制御方式より高くなる。現在交流方式、直流方式とも遠隔制御、自動制御は可能で港湾工事用として事実上支障はないので交直を対等に並べた。

定格電圧は今後の趨勢、船舶設備規定等を考え450Vとした。標準電圧と発電機容量の関係は下記のとおりである。

 

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周波数については現在50Hzと60Hzが使用されているが60Hzの方が割安で各機器の重量が約20%小型となることから60Hzの方が多く採用される。

また停泊、係船中の照明電源、電熱、その他(扇風機、ラジオ、テレビ)の電源は別個に小容量の補助発電機を設けて、交流60Hz、105Vとする。補助発電機は実際には空気圧縮機と串形に連結され切換できるようになっており、補助発電機休止中はDC24Vバッテリーより給電されているが商用電源が得やすい所では陸からの給電をうけるよう設備する。

交流方式の特色は下記のとおりである。

1] 変圧器により簡単に所用電圧が得られる。

2] 発電機が整流子を必要とせず、主巻線が固定部分であるため構造堅牢である。

3] 電動機は堅牢で信頼性があり、したがって電動機、発電機とも故障が少ない。

4] 発電機、電動機の馬力当たりの製造費が安い。

 

 

 

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