新電気事業法は、自主保安体制の確立を尊重する建前から、保安規定の作成遵守、主任技術者の選任、及び新設の場合の認可・届出が中核になっている。
(b) 自航船
自航船は一般船舶と同じく船体構造、装備全般にわたって船舶安全法を主体とする海事法規によって包括される。自航船の所要施設に対しては、以下の船舶安全法関連規則等が適用される。
・船舶構造規則 ・船舶機関規則 ・船舶区割規程
・船舶設備規程 ・船舶救命設備規則 ・船舶消防設備規則
(2) 起重機部関係
(a) 非自航船
非自航船には船舶安全法が適用されないことから非自航起重機船の起重機部に対しては労働安全法関連規則が適用される。
(i) 労働安全衛生法
法第39条吊り上げ荷重が3t以上の移動式クレーンを製造する場合は都道府県労働基準局長の許可を受ける必要があると規定している。
(ii) 移動式クレーン構造規格
移動式クレーン構造規格第15条は浮きクレーンの安定度を規程している。
同構造規格第45条は吊り上げ荷重200t以上の浮きクレーンについて、強度計算にかかる荷重の組合せ、ドラム等の直径、及びワイヤロープの緩和規定がある。
(b) 自航船
労働安全衛生法施行令第4号の移動式クレーン及び第13条第26号の移動式クレーンには船舶安全法の適用を受ける船舶に施設されるものを含まないものとして取り扱う。ただし、総トン数300トン未満の自航式のフローティングクレーンに関しては、労働安全衛生法に基づき、検査を行うものとする。(昭50.3.3基発118号)―クレーン等安全規則の解説P.16―
船舶安全法の適用を受ける船舶に施設される起重機については、船舶設備規程第五編荷役その他の作業の設備第一章載貨装置が適用される。
(3) 経済産業省関連手続き
自家用電気工作物に関する行政官庁は経済産業省であり、その経済産業省における事務は資源エネルギー庁で取扱い、自家用施設に関係するものは資源エネルギー庁公益事業部電力技術課であるが、本省で自家用施設の認可、検査等の事務を直接取り扱うのは、規模の大きい発電設備についてのみであって、ほとんどの自家用施設については、地方局である経済産業局の資源エネルギー部又は公益事業部の施設課及び発電課においてその事務をつかさどっている。