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2] 軸継手フランジの面振れは、プロペラ軸の継手フランジ外周端面上部を中間軸の継手フランジの外周端面上部に接触させ、下側の継手フランジの開きが0〜+4.5/100mmの範囲に入るよう調整する。

大形船の場合は、軸系アライメント計算により、軸継手フランジの芯振れや面振れの値を算出し、その値になるよう中間軸受の高さを調整する。(1.11 軸系アライメント参照)

 

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3・23図 芯出し

 

1.5 船尾管軸

多軸船の場合、船体構造上プロペラ軸の長さが長くなり、製作上、艤装上などの理由により、プロペラ軸船首側軸継手と中間軸船尾側軸継手との結合位置を船外で行うことがある。この場合の船尾管内を通る中間軸を船尾管軸という。船尾管軸は前述のプロペラ軸の構造と同様な防食処置を施す必要がある。多軸船の場合は一般に張出軸受を装備するので、軸継手が船外にある場合、軸継手の構造は組立型継手とし、軸継手を海水からの腐食に対して保護するための保護カバーを設ける必要がある。

 

1.6 船尾管および船尾管軸受

1) 船尾管

船尾管とは、プロペラ軸あるいは多軸船の場合船尾管軸(船尾軸)が船体を貫通する箇所に装備する筒状の構造物をいい、軸を支持するものである。一般に船尾管本体には鋳鉄あるいは鋳鋼が多く使用される。また、比較的大形船では、特に船尾管本体を設けず、船体と溶接構造で形成する場合もある。海水潤滑式船尾管の場合、青銅製ブッシュに内張りした支面材(リグナムバイタ)あるいは青銅製ブッシュまたは、FRPに内張りしたゴム軸受、樹脂軸受などを船尾管本体に圧入し、軸受とし、海水によって冷却、潤滑をする。油潤滑式船尾管の場合、鋳鋼製あるいは鋳鉄製ブッシュにホワイトメタルを内張りした軸受を船尾管本体に圧入し、油によって冷却、潤滑する。船尾管には一般に船尾側船尾管軸受と船首側船尾管軸受を設ける。プロペラを支持する船尾側船尾管軸受の長さは、船舶機関規則などで定められている。船首側船尾管軸受は、一般に軸受としての役目よりも、プロペラ軸を船尾管に挿入する時のガイドの目的で装備する場合もある。また、軸系アライメント上設けない場合もある。

 

 

 

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