1.10 軸傾斜(軸レーキ)
軸傾斜とは船体の基線に対する軸系基準線(軸心)の傾きで、船体側面(ベースライン)に対する軸傾斜と船体平面(船体中心線)に対する軸傾斜とがある。プロペラの没水深度の関係で、一軸船の場合、船体側面に軸レーキがつくことがあるが、多軸船の場合は、船体側面および船体平面の両方に軸レーキがつくことがある。
1.11 軸系アライメント
軸系アライメントとは、軸系装置で軸のたわみ、軸受荷重などを考慮した軸系の据付け配置を言う。軸系が直線となるような軸受配置(ストレートアライメントと呼ぶ)および各軸受の位置を上下に調整して、軸受荷重の分散配分を考慮した軸系配置(オフセットアライメントまたはスロープアライメントと呼ぶ)とがあるが小形船の場合は一般にストレートアライメントが採用されている。
2. プロペラ
舶用プロペラの場合、プロペラと言えば一般にスクリュプロペラを指す。舶用推進器には、スクリュプロペラ、ウォータジェット推進装置、フォイトシュナイダプロペラ、外輪車などがある。
プロペラは構造が簡単でしかも比較的効率が高いことからほとんどの船の推進に使用されている。
プロペラには固定ピッチプロペラと可変ピッチプロペラとがあるが、ここでは固定ピッチプロペラについて述べる。
2.1 プロペラの名称および用語
プロペラの各部の名称を3・35図に示す。本図は船尾側から船首側へ見て船の前進時右回転するプロペラを示し、プロペラボスとプロペラ軸とのはめあい部にキーを用いて取付けるキー付きプロペラである。
プロペラとプロペラ軸とのはめあい部にキーを用いずにプロペラを押込み、コーンパート部の摩擦力によって結合する構造のキーレスプロペラもある。