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2. 健康を守る

知的障害のある人達は肥満が多いという現状があります。肥満とは外形的に太っているということではありません。体内に蓄積されている脂肪の問題です。肥満はどのような問題を内包し、なぜ問題となるのかを知っておくことは必要だと思いますので、第2部で詳しく述べます。

 

3. 体力を保持する

体力という言葉は、それが使用される背景によって色々な意味で用いられます。相撲の世界で「体力勝ち」といえば、身長や体重が勝っていたことが有利に働いたという内容を意味しますし、マラソンで「体力が残っていたので・・」といえば、スタミナが残っていたことを意味します。このように使われる背景で色々な意味を持つ言葉ですが、ここでは次の図7に示したニつの側面を合わせ持った意昧で用いることをおことわりしておきます。

 

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図7

 

知的障害のある人は、学校卒業後に保護された環境であるか無いかの違いはあっても、必ず生産活動に従事します。そして仕事の内容は、殆どは単純な肉体作業が多いです。これらの生産活動に従事するときに、体力の有無は大きな問題となってきます。風邪などひかずに疲れないで仕事に従事するとか、合目的的に作業を効率よく行う等、体力は仕事に直接影響を与える場合が多いので、その有無は仕事を続ける上で大きな問題となります。学校生活では体育の時間やその他の時間でスポーツに触れる機会のあった人達が、学校卒業後にスポーツに関わる時間がなくなると、今まで保持していた様々な身体的な能力が低下していきます。ですから、卒業後の彼等の体力を低下させないためにスポーツは必要で、体力低下の現象は、体力の低い人ほど速く顕著に現われます。ですから、いろいろな機会に身体を動かしておくことは必要なのです。

 

 

 

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