日本財団 図書館


2) スポーツの指導者

スポーツ疎外要因や自由記述の回答に指導者を求める声が多く、巡回指導の要望がかなりありました。これは、移動に何らかの問題を持つことが多い知的障害のある人たちを考えると、当然な要求であると思われます。日本障害者スポーツ協会では、障害者スポーツ指導者養成を行っており、現在、約15000人の指導者が登録されています。その人たちの多くは、年に数度のイベント要員としての活動だけで、日常的なスポーツ活動の支援にはあまり活躍をしていないという報告があります。ですから潜在的な指導者はいるわけです。それらの人たちとうまくコンタクトが取れれば、指導者の問題も解決すると思われます。

また、ボランティアの派遣を求める声も多くありましたが、これは、市町村の社会福祉協議会に登録されているボランティアの方々を、施設にお呼びすることで解決できるかもしれません。その時に、ある程度まで障害のある方のスポーツ享受能力を高めておく必要があります。1から教えていただくとなると、教える方も大変です。そのスポーツ固有のルールやマナーの一部だけでも事前に十分理解を図っておき、外部の方が指導をしてくださるときは、すぐに技術の指導から入れるようにしておきます。そうでないとせっかくの機会が日常的な生活指導で終ってしまう懸念があります。

 

3) スポーツの機会

アンケートの回答で時間が無いことが疎外要因の1位にあがっていましたし、自由記述でも「授産施設は仕事をする場所」という意見が多かったところから、授産施設の開所時間内でスポーツを行うにはどうしても無理があると思います。そのため、休日を含めた開所時間外にスポーツ活動が展開されることを回答者の多くが望んでいました。休日なら、先ほどふれた障害者スポーツ指導員の人たちも係わり合いを持ちやすくなることが予想されます。スポーツの集まりをクラブ・サークル化して、経常的にやってほしいという声が多くありました。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION