3] ソリタリーアイランド海洋保護地域
さんご礁などの豊富な海洋生態系を形成、海鳥の重要な繁殖地である。6社のツアー会社がスキューバダイビングや観光ツアーを実施している。参加者数と支出は公にされていないが、運営資金は水産省が出している。
4] ハービーベイ海洋公園のホエールウォッチング
1989年鯨類保護管理調査地域(WMMA)は、ザトウクジラ保護と人間の活動を管理し、その影響調査を目的として公園制定とともに設立された。1992年には半日ツアーから宿泊ツアーまで19隻の観光船が運航されている。
II ハワイ
1994年、自然関連のツーリズムを行っている247社、非営利オペレーターが運営する観光参加者の支出は年間600万ドル、営利会社のそれは年間4億720万ドル、合計4億1,320万ドルと推定されている。これは93年のハワイを訪れる観光参加者支出の1.8%にあたる。
優秀なガイドは1グループにつき100〜300ドルの収入を得、年間収入は3万ドル、この数値は上から10%の高収入の範囲である。またエコツーリズムは5,195人のフルタイムの従業員と2,000人のパートタイマーを雇っているが、93年のホテル関連従業員は38,000人で、農業や木材伐採や他の雇用よりも安全性が高いと評価され、住民に雇用の機会を与えている。
III フィジー
フィジーにおける観光産業はさとうきび栽培と並ぶ主要産業であり、外貨獲得総額の25%、4万人の雇用を生み出し、全労働人口の15%にあたる。国内では、長年観光産業に興味を示していたものの、伝統文化が失われるなど社会的影響が懸念されていたことから見送られていた。しかし近年、参加者の目的が自然や文化志向にシフトしつつあることから、地域の人々が前向きな姿勢となり、積極的受け入れに転換しつつある。
そうしたことから政府などから多くのレポートが発行されており、その概要は以下の通り。
・世界的にツーリズムのパターンが、エコツーリズムや関連したオルターナティブツーリズムに移行しつつある。
・国際的にエコツーリズム、トラディショナルツーリズム市場は急速に進み、高い競争力がある。
・こどもプログラムとして、パスポートシステムをとっている。パスポートを貰い、各活動に参加するごとにサインを貰う。幼児(2才〜12才)には保母さんがつく。
・プログラム(マングローブ林、熱帯雨林、潮溜り、さんご礁、海洋、天文学、フィジー文化、環境に配慮した生活、私にできること)は日替わりで、家族が一緒の場合と指導員がついたものがある。
・ガイドマニュアル=民間ツアーガイドに対する研修は、年1回、1週間にわたり研修を受ける。修了者には連邦政府文化芸術省からライセンスが与えられる。
緑ライセンス = 州のみで通用。
青ライセンス = 一般観光ガイド、全国で通用。
・課題として、住民が自然資源、文化資源の重要性を再認識するための教材不足およびPR不足があげられている。