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・漁獲したものを船上で味見程度に食べるとしたものが、ついついサービス過剰になり、腹一杯の食事となった。こうしたサービス過剰のことは、漁業者の場合にはついありがちなことである。そのため参加者同士の口先にのり、不必要なトラブルとなったり、結果的に漁業者間の軋轢の原因となったりすることがある。折角仲間同士で取り決めたことであるから、気を付けることのひとつであろう。

・獲れた魚を直ぐに市場に持っていったが、土産の魚は船内で買った方が、楽しみが倍加するのではないか。当地では体験で揚げた魚を昼食で使うということは、一度陸まで持ち帰り、調理を始めたのでは、食事準備に1時間も待ってもらわなければならないので、陸で出す料理分は、あらかじめその日の早朝に別の定置網で獲れたものを使っている。そのため、船上で揚げたものの中から数匹を味見させている。しかし気分的なものもあり、おいしいということで、ついついその場でたくさん食べることになる。また目で見たものを食べたいという要請が根強い。

 

こうした点についても、十分納得してもらう説明が必要であろう。しかし都会の人たちには、都会の人達なりの先入観や要望があるため簡単ではないが、それなりの説明はしている。

―道案内や集合場所などをはっきり示す―

・福山からの道路表示がなく、道順が分からなかった。乗船場ないし集合場所がわからなかったので立て看板が欲しい。バス停など地元で改善できる点は改善した。

―漁業体験は鮮度を大切に―

・毎年同じパターンなので、何かひと工夫が欲しい。

・当日は小雨が降っていて、観光どころではなかった。夏とはいえ思った以上に寒いので、雨具を用意して欲しい。また見て食べるだけではなく、もうひとつ何かが欲しい。

・料理に工夫が足りない。町の特産品のグリーンアスパラなども取り入れたらどうか。

―その他―

・トイレやゴミの問題は、当初から課題となっている。そのため本年度の事業として、休憩所を含めてトイレなどの増設を予定している。

 

(問2) 定置網観光を何により、知ったか。

新聞18人(64%)、テレビ5人(18%)、県広報誌2人(7%)、知人から聞いた・チラシ・昨年も来た各1人(4%)。新聞、テレビが圧倒的に多く、マスコミに取り上げられ、初年度から、2年度にかけて一気に10倍近く参加者が増えた。その後は順次安定的に増え続けており、今日では約2,000人と限度枠一杯までになっている。

 

(問3) 観光定置網の時間について

午前9時の出航時間は、適当である25人(89%)に対し、早過ぎるが3人(11%)、これは10時になれば広島から日帰りができるというものであった。

所要時間は適当24人(86%)、長過ぎる1人(4%)、無回答3人(10%)であった。こうしたことから時間については、ほぼ妥当であろうと解釈しており、当初から変えてはいない。

またスケジュール的には、日帰りで参加できることよりも、泊まってもらうことにより、十分海や漁業を知ってもらうことができるので、その方向が良いと思うが、宿泊施設となれば、それなりの設備投資が必要となることから、漁協としては考えていない。

 

 

 

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