離島の情報発信にはパソコンが有効と、平成10年からは毎年1〜2つの島を決めてパソコン教室を実施している。因みに10年には真鍋島でパソコン教室を開催、民宿や旅館をはじめ海苔加工業者など多くの関係者がホームページを作成し、現在、色々面白おかしく工夫して独自の情報を発信している。
特に興味深いのは、市役所にバーチャル村民の制度がある。これはパソコン上で、全国から村民を募集、登録した。その結果、現在全国から100名のバーチャル村民にメーリングリストを実施し、島外から島に対する多様な意見や助言を求める。もちろん島からの情報発信も受けてもらう。特産品のプレゼントもあるが、島を盛り立ててくれる心強いメンバーとなっている。
平成12年度には笠岡諸島6島の各々のホームページも完成、笠岡諸島を一つの島として連携したPR作戦を展開している。
平成11年には、こうしたホームページを見た県内のコンピューター会社から社員旅行受け入れの依頼があり、2年連続して白石島で受け入れたという実績もある。これはインターネットで、「地曳き網」を検索したところ、笠岡市の取り組みのページがヒットしたため、会社から直接電話があり実現したケースである。
漁業体験メニューについても、その都度ホームページを通じて体験漁業の臨場感を表現するページを作成し、参加者の獲得を進めている。平成12年度には島ネット会員制度を試作し、参加者の中から会員募集を行ない、定期的に情報提供としてNEWSを届けている。
VI 今後の体験型漁業
先に行なった「海であそぼ! 白石島」などに参加した21人に対するアンケート結果を見ると、以下のような状況であった。
アンケートの対象者は男12人、女9人。
年代は10代以下1人、10代が7人、30代が5人、40代が8人。
住居は、市内が1人、市外からが18人、県外が2人。
笠岡諸島へ初めて来た人が8人、2回目が1人、3〜5回が9人、5回以上が3人。
底曳き網体験は、適当(楽しかった)が20人、分からない1人。
昼食は、適当が19人、適当でないが2人。
一番面白かったものは、底曳き網体験が12人、海水浴7人、筏レース5人、宝さがし2人、昼食1人。
再度来たいと思うかと聞いた時には、来たいが20人、思わない1人という。
その他なんでも意見があればという質問に対しては、
・飾らない地元のひと達が好きになった。
・パソコンを使い、写真プリントをするアイデアが良かった。
・お世話の人が大変だったと思う。スタッフの人がとても面白かった。
・子供向けイベントがあり、大変良かった。至れり尽せりの盛りだくさんのプログラムで大満足した。スタッフの皆さんの一生懸命さに脱帽。
・最初はいやいや付いて来た息子が、途中から目を輝かせ始めた。テレビゲームばかりやっている最近の子ども達にとってこのような体験はとても貴重だと思う。