また関係者の間では、瀬戸内海の生物層を知ってもらうため、新たな環境副読本作りも始まっている一方、瀬戸内海の環境保全検討委員会では、こども達と海の関わりが希薄になっている。コンクリート護岸で海と遮断され、事故への不安が大きいなどと指摘されている。
IV 真鍋島などの体験漁業
真鍋島は映画「瀬戸内少年野球団」のロケ地となった。本土から31.5kmとかなり隔たった距離にある。世帯数は228戸、人口491人、保育園と小中学校があり、島には1日4便の定期船と5便の高速艇が就航している。
農家数は34戸(うち専業が17戸)、全国的に花の島として知られている。漁家数は62戸(うち専業が37戸、底曳き網、刺し網、敷き網などが主産物)、昭和53年には、県ふるさと村に指定された島の民具資料館が建設されている。海水浴場や釣り客などを中心に年間1万人が訪れており、旅館2軒、民宿1軒、ユースホステルがある。
島では平成10年、サマースクール〜ふるさと真鍋島まるごと体験〜を実施、30人の定員で、1泊2日3食付き7,000円で募集をした。市農政水産課で申し込みを受け付けた。当日は漁村体験のため宿泊は民泊とし、体験型漁業のほか特産の小菊栽培(花摘み)や野鳥観測、島の子供達との交流などを実施。参加者のなかには、定置網の中に入った小さな鯛を海に逃がす心やさしい子もいた。夜は、魚のアラを入れたビンを使ってウミホタルを採取し、蛍光灯づくりに挑戦した。子どもたちはウミホタルの神秘な光に感動、予定時間を大幅にオーバーするほどの熱狂ぶりを呈した。
また13年2月初句には、島独自で「冬の風物詩体験」を実施。シーズンオフに冬の島を体験してもらおうと企画された。当日は八幡様に参拝、のり加工場で体験、漁師料理を堪能し、花摘みや島の船上遊覧などをプログラムとした。負担金も比較的高かったが、島民の対応と新鮮な海の幸に大満足といった感じであった。
その他北木島では「笠岡の海であそぼ!下浦海岸物語」に44名が参加した。底曵き船漁見学をしながら北木島へ、獲れた魚を使って船上で漁業者が煮付け・刺身料理を作り昼食をとる。午後のプログラムにはキャンプ場に船をつけて、漁業者手づくりのいかだ乗りや宝石探しなどのゲームを漁業者と一緒に行ない交流を深めた。
また、飛島では毎年行っている地元の交流事業に漁業体験やマリンスポーツの他に、こども同志の交流会などを主体としてネイチャーゲームなどを取りいれて実施した。
平成9年度からこれまでに都市漁村交流事業に参加した人の延べ人数は1,000名であるが、参加者確保の対策として、初年度からの応募者データベースの約600名のなかから、参加履歴の多い方から約200名にダイレクトメールを発送したり、その都度、地元新聞社に記事掲載依頼をしたりしたことにより、毎年若干の新規参加者を増やしている。しかしその殆どはリピーター及びリピーターからの口コミにより広まっている。
V 体験型漁業と情報化
広報活動にはホームページを作成、インターネットやケーブルTVを活用している。