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島の海水浴場は約500m、岡山県の3大海水浴場のひとつに指定され、毎年7月の第1日曜日には「海開き」が開催されている。かつては芋の子を洗うほどの賑いであったが、このところ海水浴客はめっきり減っている。当日は市長杯をかけて争う30kgヨットレースも開催され、県内外から50艇が参加する。

夏場は、旅客船も増発されるほか、キャンプ場も整備されていることから年間19,000人が訪れるため、島内には旅館4軒、民宿が3軒あり、数年前からは、島の生活文化を体験する修学旅行の受け入れが行なわれており、それがきっかけとなり、島の様子は度々マスコミにも登場する。

海水浴場にはマリンスポーツのインストラクターもおり、シーカヤック10艇も用意され、他にカヌー、ローボート、ウィンドサーフィン、OPヨット、スキューバーダイビングも可能で、オリエンテーリング用として巨岩、奇石の間をぬった遊歩道も整備されている。因みにウィンドサーフィン1隻3,000円(半日、シーカヤック1隻1,500円、底曳き網1隻24,000円(2時間)、磯釣りは1人700円、ストーンペインティングをやって遊ぶこともできる。

白石島では、海洋レジャーと漁業の調整のために、各種の漁業交流を図っている。

そのひとつに都市交流事業がある。当初は「海に来る・海に触る・海について考える」といったことを共通テーマに、比較的料金を押さえながらPRを兼ねて、年毎に企画内容を意識的に変化させて事業展開を試みた。参加者は近隣都市からだが、時には大阪や関東圏からも申込みがあった。

1年目は、「海であそぼ! 白石島」と銘打って地曳き網と魚つかみ取りを企画、親子の募集を行なった。2年目は「夏の海岸物語」白石編として、夏の海水浴シーズンに3つの事業を同時募集し、自分の好みに合わせて選択出来る方式をとった。3年目は単独事業として、全て参加者負担金で事業を行なった。そして実施方法も、市役所などに集中した方法から、各旅館での個別的運営方法を重視し、漁業者との直接的なふれあいの方向へと変化させた。

当初は、海水浴場中央に300人収容のテントを張り、海苔摘み取り用の箱舟をいけすとして構えた。しかし同じ場所で、魚のつかみ取りや魚のさばき体験を行なった結果、大混雑を引き起こすという失敗もあった。しかし翌年には、魚のつかみ取りは、直接砂浜に網を張って一度に大勢の子どもたちがつかめるようにした。また料金だけを設定して、参加者を旅館ごとに6つの班に分け、漁協職員をサポーターとして旅館に配置、旅館独自の昼食とした。

こうして参加者が、直接旅館や漁業者と接する時間を多くとり、旅館ごとの体験とした理由は、本事業が自立するための過程でもある。

さらに島の場合は、船賃が余計にかかるということで、事業経費を押さえるために、いろいろな工夫を行っている。例えば船賃の削減対策として、大型客船を格安チャーターして大勢の参加者を一度に輸送したり、PR経費の削減対策として新聞社やテレビ局に情報を流し、無料媒体を利用したり、インターネットのホームページを利用した。

さらに参加者には、参加料を少し多く負担してもらい、得意な魚料理を武器に「食・堪能コース」等のオプションを設け収入増を図るなどの工夫を行っている。さらに12年度にはもう一つ都市漁村交流事業として、小学生高学年を対象にした「白石島まるごと体験」と銘打ち、1泊2日の島の生活体験事業を実施した。海の魅力を理解してもらうためには、体験型漁業を通じて「島」の生活を体験してもらわないと、その本質は掴めない。そのためには、特に次の点に気をつけているという。

 

 

 

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