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III 海洋レジャー企画担当者などの要望

 

修学旅行中のプログラムとして組み込まれる環境学習には、当然、先生方は多くの学習効果を期待する。他方、修学旅行に参加する生徒や一般の旅行会社が募集する参加者は、学習よりアドベンチャーや見聞を希望する場合が多い。

沖縄における「修学旅行」と「エコツーリズム」を企画する多くの担当者は、意識する、意識しないに係わらず、エコツーリズムを「地域の自然と文化を楽しく学ぶ体験」と解釈し、それらの保全、保護を目指す共通の生態学的ルールを守ることによって、修学旅行の環境学習とエコツーリズムを区別しないで、企画立案を行ない、その開発を行っていた方が多数いた。

さらに、企画担当者としては、観光業を含む沖縄県民の総意として、地域資源管理の調査を踏まえた上で「共通の生態学的ルール」を策定すること。

そして、エコツーリズムの方針や取り組み方、そしてカイドや地域のコーディネーターの人材育成手法、さらには1] 地域住民、2] 参加者、3] 観光業者、4] 行政、5] 研究者の役割分担や協力関係を明らかにした「エコツーリズム・オペレーティングマニュアルの策定」を望む声が多かった。

屋久島の生態学実践作家星川淳氏の著作などでも示されているが、エコツーリズムのガイド1人の案内可能最大人数は20人、ダイビングは、ガイド1人に2人の客といわれており、沖縄県内で実施されている各種のエコツーリズムも同範囲内に納まりつつ、運営されている。

しかし沖縄県の現状としては、上記の「共通の生態学的ルール」や「エコツーリズム・オペレーティングマニュアル」の標準的な施策や基準が行政機関から示されていないため、多くの地域で混乱を来していた。

 

IV 行政で位置づけのないエコツーリズム

 

県レベルの行政機関では、「観光要覧」(平成10年度)、「環境白書」(平成11年度版)や県外修学旅行生を対象とした「沖縄・修学旅行」などの各種刊行物やインターネットのホームページ情報媒体には、平成12年(2000)4月現在、「エコツーリズム」という位置づけすらされていない状況となっている。

また県レベルでの外郭団体では、2団体が「エコツーリズム」関係を取り上げている。

沖縄県サミット推進会議のホームページに特集として、「沖縄で体験!エコツアー」がある。その中で1] 国立民族博物館石森秀三教授による体験記をつづった「やんばるエコツアー」、2] ノグチゲラ、リュウキュウヤマガメなどが棲息するやんばるの森にいきづく動植物を紹介した「やんばるの希少動物図鑑」、3] 全国で先駆け的存在の「西表のエコツーリズム」として西表島エコツーリズム協会と「東村エコツーリズム協会」の2カ所を紹介した「沖縄県内の紹介」及び4] 東京都港区にある「エコツーリズム推進協議会」の1カ所を紹介した「エコツーリズムリンク」の4つの項目に分かれている。

さらに、「ホエールウォッチング・サミットくじら通信」としてザトウクジラの生態の話やクジラに関わるさまざまな人達とその交流が紹介されている。

もう1団体は、財団法人沖縄観光コンベンションビューローのホームページに「沖縄観光情報・真南風(まはえ)ネット」の中に「沖縄を楽しむ」という項目があり、「1] 体験して楽しむ」、「2] 食を楽しむ」、「3] ショッピングを楽しむ」、「4] 自然を楽しむ」、「5] 海で楽しむ」などの10分野があり、「4] 自然を楽しむ」の中に「1] エコツーリズム」、「2] ホエールウォッチング」、「3] 植物」として載っている。

 

 

 

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