第2項 海・漁業体験教室からのメッセージ
海からの贈りもの
君は見たことがあるだろうか
太陽の光をはね返して
きらきらと輝く大海原を
人々が喜びに沸く
大漁の港のにぎわいを
君は知っているだろうか
ひたひたと寄せては返し
浸した足を洗っていく波のやさしさを
巨大な船を叩き付け、振るい払うように
荒れ狂う嵐の激しさを
君は聞いたことがあるだろうか
静かな闇の中をゆったりとしたリズムで刻む
太古からの奏楽を
深海の底でひそやかに楽しげに
語り合う魚たちのおしゃべりを
君は思い描くことができるだろうか
さまざまな青や紺や藍色が重なりながら
どこまでも続く水平線の涯てを
お互いの名前を呼び合い
裸足で浜辺をはしゃぎ回る子供たちを
君は出会ったことがあるだろうか
磯の日溜まりでおばあさんたちが交わす
土地なまりの語らいに
汗と酒とエネルギーがほとばしる
浜の男たちの熱い祭りに
掌で海をすくってみる
温かくて懐かしくて柔らかくて
ぼくたちはこの海から生まれてきたのだ
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