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第5章 海・漁業体験教室と指導者育成事業

 

第1項 その概要

 

・「海・漁業体験教室」は、海に関する豊かな経験と知識を習得したプロの指導者なしで行なうことは不可能である。

・海のこと、漁業のこと、漁業文化のことなどを十分認識している漁業者の協力を得て、海・漁業体験教室を実施していくのが最も望ましい方向である。

・漁業者が、環境問題や海事思想、救急安全対応などの知識を改めて研修し、海・漁村の魅力を始めとする幅広い知識を、海の指導者たるべく面白く、興味深く大胆かつ正確に伝達できる技術を養成することが望ましいと考える。

・海・漁業体験教室に関する幅広い関係機関や関係者を統括調整するためには、地域に密着し、人間関係にも詳しい人材が要求される。

 

海・漁業体験教室を実践するためには、対象地域において以下に述べるような「マリンコーディネーター」と「海の博士」を創設することとしたい。

海における体験学習、自然学習は、極めて魅力あるものとなり、潜在的需要も多いことは誰しもが認めるところであるが、今日まで余り普及してこなかった原因の一つに、常に危険が伴い、危険性の解消に適切な対策が取れなかったことにある。また前述したように手間のかかる割に料金設定が困難であることのほかに、「海・漁業体験教室」は安全管理のため、保険制度の導入は勿論のこと、改めて救急安全対策を習得し、その安全確保に努める必要があった。参加者においては、海に関する豊かな経験と知識を習得している指導者なしで行うことは不可能であり、そうした条件を十分満たしているのは、日常的に海と接している漁業者しかいないといえる。

そこで海のこと、漁業のこと、漁村文化のことなどを十分認識している漁業者の協力を得て、海・漁業体験教室を実施するのが最も適切と思われる。

そして改めて漁業者が、環境問題や海事思想、救急安全対策などの知識を研修するとともに、海・漁村の魅力、さらには自然環境の成り立ちや地域文化を始めとする幅広い知識を、海の指導者として面白く大胆かつ正確に伝達できる技術を養成することが望ましいと考える。

以上のことから海・漁業体験教室は漁業関係者を始め、教育関係者、観光協会、役場関係者或いは地域住民など幅広い関係者が一丸となって取り組んでいかないとできない事業である。そして幅広い関係機関を統括するためには、地域に密着し、人間関係にも詳しい人材(コーディネーター)が要求される。そして関係者間の問題を協議、調整し、コーディネートしてもらうような支援体制の整備充実こそが、海・漁業体験教室を成功させる鍵となる。そこで早急に人材育成を行なう必要がある。

 

 

 

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