4] ライフスタイル産業の一部であるため、都会のライフスタイルを知り、利用者に対する生活提案が必要となる。
5] リピーターを大切にするためには、都会と地方のネットワークが必要。
6] 他の類似したものと比較されず、経済的競争に巻き込まれないためには、地域にあった無理のない個性豊かなものを実施する。
7] 海・漁業体験教室への関心が高い参加者を呼ぶためには、事前にレクチュアーをすることが必要で、地域の理解を助けるパンフレットやガイドブックを事前に提供する。
8] 企業理念、哲学に基づいた教育を受けた指導員やコーディネーターが必要。
9] 外部から訪れる人たちをもてなす心(ホスピタリティ)と地域経営能力の醸成が必要である。
III 事業化にあたる課題
・導入の目標は何か、何を期待するのか、そのために何をするのか等を明確にする。
・今ある資源・資産で、いかに参加者を楽しませるかということで、そのための活動内容やプログラム構成が必要である。
海・漁業体験教室の導入により、地域全体を動かすためには、活動の趣旨や計画性などが重要となる。これまでの地域振興事業は、ハード優先の慣行からか、関係者全員の民主的な話し合いによる事業の進め方は余りされてこなかった。特に漁村地域においては、依然として時代のニーズや他産業の進展には追いついていないようである。関係者による資源・資産の発掘や企画力や組織力、計画性、調整能力などの総合的力量が問われるとともに、こうした活動に対してのバックアップ体制が整っていなかったことから事業化が遅れていた。
また単に海・漁業体験教室の事業を導入すれば、メリットが生まれるというものではない。実行していく段階で話し合いが必要になり、そのたび毎に課題を解決していかなければならないことはいうまでもない。以下の点が、基本的課題となっている。
1] 地域として、個人として、導入の目標は何か、何を期待するのか、そのために何をするのかなどを明確にする。
2] 各地で様々なトラブルが起こっているが、その原因の一つは漁業者サイドにあることも漁業者は自覚すべきである。漁業者は主張すべきことは主張し、譲るところは譲るというメリハリをきちんと行うべきである。
そうした姿勢こそが、漁業者の社会的地位の向上に繋がり、本事業を成功させる鍵となる。こうした当たり前のことが実現されうるか、いなかが鍵となる。
3] 基本的に漁業のように水揚げ主義ではないことから、いかに今ある資源・資産で、いがに参加者を楽しませるかということで、そのための活動内容やプログラム構成が必要である。また資源・資産を維持保存していく施策を確立していかなければならない。