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問12 ブルーツーリズムの課題は何か。

漁協からは、プログラムの作成やスタッフの確保が必要とする意見が最も多く、トイレ、ゴミ箱、駐車場の確保、整備などの環境整備をすべきとする意見。漁業者に目に見える形で収入増になるようにすること。遊漁船、ダイビングなどを行っている組合員間との調整、漁業者の意識改革とする意見も多かった。また、なぜ実施しなければならないのかを明確化することとする意見もあった。

市町村からは、漁業者の理解と協力(連携)が必要とする意見が最も多く、ニーズの掘り起こしや企画能力と集客方法など具体的な企業化のためのノウハウと人材養成、組織づくりが強く望まれていた。また受け入れ施設の開発、整備、充実強化が同数であげられている。次に漁業者・漁協・自治体・住民とのコミュニケーションが不可欠。漁業者の意識改革が必要とする意見があった。

なお問題点としては、漁業者の水揚げやブルーツーリズムの資源不足、さらには交通アクセスがあげられていたが、交通アクセスのなかで、離島で島に渡航する場合には駐車場の大きさが渡航数を決定することもあるため、駐車場確保があげられていた。また同様に漁村においては、埋立地がない場合には土地の狭さが問題となっている。

しかし何といっても漁業経営の安定確立と漁業者の意識改革が、最大の課題であった。

 

問13・14 海レクとのトラブルがあるか。その内容はどのようなものか。

漁協からの報告では、「ない」が42%、「ある」が58%で、「ある」とするものが過半数を超えていた。またルールを作ったが20例あった。

トラブルの内容は、ゴミの問題が最も多く、その他に密漁の問題、遊漁者とのトラブル、不法駐車・交通渋滞、不法係留船問題、水上バイクの問題などが多く指摘されていたが、その内容は市町村とほぼ同様であった。

市町村においては「ない」が54%、「ある」が46%で「ない」とするものが過半数を超えていた。ないとするものでは調整が旨くいっている例が圧倒的に多いが、7例でルールを作ったとしている。

その内容は、ゴミの放置、違法係留、悪質な密漁、海レクとのトラブルなどがあげられているが、なかには人身事故や漁場荒廃、漁獲物や漁船の窃盗などかなり深刻な問題があげられており、その内容に強弱がつけられる問題ではない。そこで関係者は、トラブルの1つ1つを真剣に取り上げて、その解決に努力していくことが海の総合的活用につながる。またこうした実態を広く国民に知らしめていくことも必要なことではなかろうか。

 

問15 海レクとの調整はどのようにしているか。

漁協からは、「法制度の整備を図ってもらいたい」とする意見が42%、「調整機関が欲しい」が26%、「海レク団体と漁業者との話し合いが必要」が18%であった。さらに人材育成が8%、調整が無理だとする意見は6%であった。意見を見ると遊漁者の団体化、組織化が強く求められており、次いで「漁業や海のルールを理解するための普及啓発を積極的に推進すべき」との意見が最も多く、「不法係留問題の対策」「プレジャーボートとの軋轢」等も多く提案されている。

市町村を見ると、法制度の整備を望むが40%、調整機関が欲しいが38%、人材育成が必要が20%、無理だとする意見は2%であった。

意見を見ると、特出したものがないだけに関係者の苦労が偲ばれる。それは逆にいえばこうした調整問題は、県か現場に任されており、市町村が直接介入するということが余り多くないということでもあろう。

また調整のルール(規則など)は、多くの方々から詳細な資料をいただいている。

 

 

 

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