海の環境問題と資源との問題では、漁業者側の自主規制が強すぎるという環境問題の専門家も大勢いることと思われる。
≪その他≫
水中観光船、グラスボート、サンセットクルージング、漁り火ウォッチングなど色々あるが、愛知県や三重県における大海水プール(海岸に自然プールを作り、イルカや魚と一緒に泳ぐ)や夜光虫やオオミズナギドリの見学は、環境とマッチングした新しい手法として注目される。
また漁業も地域にある水族館や海洋ミュージアムなどと連携していけば、相互にとってより付加価値の高いものが創れるのではなかろうか。
II 年一回程度開催されるイベント的なもの
7 地元の児童・学生に対する水産教室
地元の児童・学生に対する水産教室などが59地域から報告されたが、全国的に多くの漁協青年部や婦人部を中心に、地域の小中学校で水産教室が行われている。こうした努力は長年、漁業者のボランティアで行なわれてきたことであるが、県や市町村など行政機関からの依頼であるため、長年蓄積されてきている漁業者のノウハウは十分生かされないまま、単に事業の消化というままのところもある。そのため減少気味であったり、参加者が固定化されてきたりしている。
なお漁協からの報告では、小学生を対象にした宿泊を伴うサマースクール的なものが多く、市町村からの報告では、クルージングやカヌー教室が多くなっている。
実践している関係者からは、各地各様に行われている活動に対して情報交換が望まれていた。
今後は、修学旅行生の受け入れなども含め海・漁業体験には、こうした活動が基礎となっていくことであろうから、関係者による事業の見直しやテコ入れが必要とされていた。
8 イベント的漁業体験
≪魚つかみどり≫
5地域から報告があったが、この魚つかみとりは各地のイベントやお祭りの中で実施されており、魚つかみだけが単体で行なわれていることは少ない。
しかしプログラムとしては子供も女性も老人もみんながへだたりなく、防水着とタオル一つあれば手軽に参加できることから、人気が高いため、近年は魚つかみだけが単体で行なわれてきつつある。
≪その他≫
漁業や地域の特色を活かして、各地でそれぞれの体験漁業が行なわれている。例えば北海道や青森ではイカを活用して、岩手はサケ、新潟はたらい舟、山口はエビなど、当たり前といえば当たり前であるが、地域が特産物のなかでも特に売り出したい、PRしたい物産を活用していくことで、テレビ、新聞、行政などのマスコミにとりあげられ、全国的に知られていくことが多いことに注目したい。