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しかしその一方で、心ないダイバーも多い。今後益々その愛好家は増えると考えられ、長年漁業とのトラブルの主原因ともなっているため、ダイバーショップの組織化なり、愛好家に対する漁業者側からのPRやアプローチが必要とされている。またダイビングに関係している漁協から、各地の状況に対する情報を求める意見も多かった。

 

≪海水浴≫

15地域から報告があった。海の家を漁業関係者が運営している地域はかなりの数にのぼると思われるが、時には地域の商店街や観光業者が運営している。この事業は天候に左右される要素が大きく、夏の天気模様一つである。また海の家での物品販売もあるが、駐車場料金は人件費がかからずに収益の上がる事業で、漁協や地域では空き地利用として重宝がられている。近年、水上バイクや水上スキーを始め各種の遊具が増えていることから、その利用区域を分けることにより利用客を増やしているが、事故や漁業とのトラブルは減ることがない。

またサメの来遊も増えているようで、それに対する防除対策も各地でなされている。

 

≪シーカヤックやヨットなどのスポーツ教室≫

今回は32地域から報告があったが、実際にはもっと多くの事例があるようであり、今後こうしたレジャーの人気は益々増加傾向にある。例えば神奈川県には、民間のシーカヤック教室が既にいくつか開業している。また大会時には漁船が監視船などとしてよく使われているようであり、こうしたことが主催者側と旨くいっている理由のようである。今後こうした活動が増えてくるとき、漁業者側としても何らかの対応策は、心掛けておくべきではなかろうか。

海の記念日を中心に各地で様々なレース大会や初心者教室が開催されていた。また子ども達に対しては、教育委員会やB&Gが主催していた例が多かった。

 

6 自然観察

≪クジラ・イルカウォッチング≫

クジラ・イルカウォッチングを実施している地域は12あった。これは東京都の伊豆七島を始め、長崎や熊本など各地で人気の高い事業である。なお瀬戸内海(山口県祝島)ではスナメリウォッチングも実施されていた。

なおこうした事業が今後も急増するとは思われないが、漁業者にとっては環境問題と資源問題は切っても切れない問題である。太平洋岸の漁業者からはイルカやクジラが増え過ぎて漁獲に影響がある。漁船と接触したという意見も増えてきていることから、単にかわいい、獲らなければいいという単純な割り切り方ではなく、沿岸の漁業者として意見を出していくべきであり、地域によってはイルカやクジラの解体や料理を提供していくことも考えても良いのではないか。

 

 

 

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