(2) 事例2(平成11横審第8号)
油送船C号(137,501トン)、油送船T丸(498トン)
i) 原因
両船が互いに進路を横切る状況において、T丸の動静監視不十分により前路を左方に横切るC号の進路を避けなかったことによって発生したことが主因である。
また、大型舶舶であるC号はT丸に対し警告信号を行わず、機関を後進にかけるなどの適切な協力動作をとらなかったことも一因とされている。
ii) 衝突までの経過
C号の経過
C号(船長以下25名で運航)は原油239,364トンを積載して平成10年5月29日14時30分(現地時刻)イラン・イスラム共和国カーグ島を発し、三重県四日市港に向かった。
6月17日8時00分(日本標準時)、C号船長は大王埼の南南東、15浬付近で昇橋し、自らが操船の指揮にあたり針路を54度とし、伊良湖水道航路入航時刻の調整のため、速力を8.4ノットに減じ手動操舵で続航するなか、左舷正横後24度、3.8浬にT丸を初認し、その東方に4隻の東航船を認めた。