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小学校への「出前教室」

―将来に向けて一粒の種を―

 

岡山行政評価事務所長 津下公男

 

一 新分野への挑戦

―所長が一日先生に―

行政相談、行政監察(現在は「政策評価及び行政評価・監視」ですが、ここでは以下、「行政監察」という用語を使用します)に関するPRの必要生については、従来から繰り返し言われてきており、また、本省をはじめ各管区局・事務所でもそれぞれ創意・工夫がこらされているところです。

しかし、これまでのPRは、成人が対象であり、また、その方法も、パンフレット、チラシの配布等が中心となっていましたので、今までのPRでは対象とされていなかった未成年者(特に児童・生徒)をその対象としたらどうだろうかと考えてみました。

各府省の中には、すでに小・中・高校生を対象とした「出前授業」を行っているところがあり、例えば財務省(国税庁)の租税教室、国土交通省(工事事務所)の川と道路についての出前講座、農林水産省(地方農政局)の食農教育の一環としての出張授業等があります。

中国四国農政局では、平成一〇年度から管内の小学校に出張授業を行っており(平成一一年度実績二二校)、また、局内にプロジェクトチームを設けるなど推進体制も整備されています。

そこで、まず小学校の六年生を対象に行政相談及び行政監察の仕事を分かりやすく説明する「出前教室」を実施することにしました。六年生を対象としたのは、社会科の授業で三権分立について教えるようになっていたためです。また、年齢からみてもかなり理解をしてくれるのではないかという想いもありました。

 

二 実施に向けての準備

―教材作りに一苦労―

小学校六年生を対象に出前教室を実施するところまでは決まったわけですが、最初の学校での成否の有無が今後を決することになると考えました。そこで小学校の元校長をされていた岡山市の長安早智子行政相談委員に出前教室の構想を話したところ、かつて勤務されていた岡山市の芳泉小学校とさっそく交渉してみるとのことでした。

問題は児童向けのPR資料がないことです。本省、管区局が作成している行政相談、行政監察のパンフレット類はとても児童に理解できるものではありません。そこで新たに児童向けの教材を作成することにしました。

作成に先だち、すでに出張授業の実績のある中国四国農政局の担当者や大学のデザインの専門家にも話しを聞きました。

 

 

 

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