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相談活動の様子

相談活動と言うには、徒らに年を重ねるばかりで何ら実績を挙げることもできず、忸怩たるものがある。

従前どおり、現在も、毎月一回、第三火曜日の午後、三年前に先輩委員と交代の男性委員と一緒に、定例相談所を開設している。開設場所は、以前は市健康管理センターの一室であったが、人通りの少ない場所であったため、市内中心部のショッピングセンター内に市民サービスコーナーが設置されたのを機に、平成一一年四月から、同コーナーに移転した。また、隔月に市内一二地区の公民館を順次回り、巡回相談を行っている。しかし、いずれも相談受付は極めて低調であり、たまに受けるその内容も民事に帰するものが殆どといった状況である。

ただ、一〇月の行政相談週間行事として、毎年一ヶ所、各公民館単位で順に開催している区長、体協長といった各種団体長を対象とした夜間の行政相談懇談会は別である。このときばかりは、多岐にわたり、活発な行政に対する意見、要望の発言が多く、問題が続出する。解決に至らない事案もあるが、唯一手応えを感じる行事となっている。ちなみに、今年度の懇談会は一〇月一三日の午後七時から九時まで。市関係者も含めて三四人の出席があり、下水道の整備、原発等災害時の避難、JRバス路線の廃止、国道の改良等々、地区が抱えるいろいろな問題が提起された。

 

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定例相談風景

 

心に残る相談

心に残ることに、深くは介入しないようにと言われている民事事案がある。

幼児を残し蒸発した妻を探す夫。退職後の身を妻と息子に疎外され、別鍋を余儀なくされていると訴える老人。働かない夫との離婚を望む小学生・中学生三人の子を連れたパート勤めの妻等々。身にしみて懇ろに話を聴き、「こうなさってはいかがです?」「このような気持ちで対応されては?」「もう一度よく考えて…」等々口添えするが、帰りゆく淋しげな背を忘れることができない。内容までの報告に及ばないこれら事案の行方がいつまでも気にかかるのである。

 

相談のPR

実績の上がらない相談活動のほかに、いま一つ反省するのは、自分自身による行政相談のPRが足りないこと。

退職公務員連盟小浜支部女性部・小浜市国際交流協会ほか役員を務め、また、外国人へ日本語を教えるボランティア・公立小浜病院ボランティアなど数々の団体に属しながら、ひっそりとしている自分がある。

今後は、引っ込み思案に鞭打ち、折にふれてのPRに心がけ、例え民事の相談であっても何か行政へつなぐきっかけはないものかを追及するなど、草の根の相談活動を目ざすべく努めたいと考える昨今である。

 

 

 

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