その結果、立場は違っても住民の幸福のために働く事は同じであり、その為にそれぞれの組織の理解と連携を図り、使命の自覚と知識の修得に努め住民サービスの向上に資することを目的として四者連絡協議会(会則・規約等はありません。)の設置を決めて、心配ごと相談所に替わるものについて協議しました。いろいろ話は出ましたが「くらしの相談会(合同相談所)」をもつことにしました。無論「心配ごと相談(生活)」がメインですが、「年金」「農地」「人権」「行政」の五部門で出発しました。以来、毎年度初めに、四者連絡協議会を持ちながら「くらしの相談会」を開設しています。
平成七年度に、旧村の中学校を卒業した弁護士さんが、村にお礼をしたいと申出があり、今まで無かった「くらしの法律講演会」と「法律相談」が新設され八部門(生活・法律・人権・農地・行政・年金・調停・就職)になりました。特に東京から来ていただく弁護士さんの講演会と法律相談が好評で毎回、時間が足りない状況です。
平成四年に始まり、今年(平成十二年)で九回を数えますが、一回平均一七件の相談があり、累計で一五三件と一応、軌道に乗ったと思っています。今後とも四者連絡協議会との関係を密にして継続してゆきたいと思っております。
くらしの相談会等の活動が刺激になったのでしょうか、栄村社会福祉協議会の「心配ごと相談所」が、平成八年度に復活され行政相談と同じ日に開設させてほしいとの申し入れがありました。復活第一回の相談所で、双方二件ずつの相談がありました。大変うれしく、今後とも力を合せて開設し住民の福祉向上のために頑張ろうと出席委員と誓い合いました。以後、この関係は良好で現在に至っています。
やってみたい「行政相談懇談会」
十年間の委員活動で、やってみたいと思っていたのが「行政相談懇談会」です。行政相談懇談会は、住民側と行政側のふれあいの場として、又、行政に対する理解を深めることにもつながってゆくと思います。更に、行政に対する要望や苦情等の掘り起こしができるのではないかと思っており、ぜひやってみたい課題です。
この面での先輩諸氏の御助言をお願い申しあげます。
一〇月に知事選挙が実施され民間人の田中長野県知事が誕生しました。就任のあいさつ回りで、予定外の官庁訪問があったと新聞等が報じています。その予定外の長野行政監察事務所で「低い目線で声なき声に耳を傾けよう」と呼びかけたと聞きました。これは正に行政相談委員の目線ではないでしょうか。
厳しい時の流れの中にあって冷静に時代を見つめ何時も住民の視座から物事の判断をして住民と行政のパイプ役としての役割を果して行くことが行政相談委員としての務めではないかと思う今日この頃でございます。