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二、行政相談委員の行政相談活動

三月二八日、火山情報が発せられ、虻田町、伊達市、壮瞥町の危険地区住民に対し、避難指示.勧告が発令されて、周辺八ヵ市町村の公共施設等に避難が開始されました。伊達市にも最盛時一〇カ所、約二千人が収容されました。

 

避難人員(指示・勧告対象)

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避難箇所と入所人員(最高時4月19日)

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※この外親戚・知人方への避難者約7,500人

 

私は、自主的に四月三日から一日、三〜四ヵ所の避難所を巡回して、担当の市町職員、女性警察官、避難所自治会長等の協力を得て、避難住民から相談を受けました。

主な相談内容は次のとおりです。

(1) 自宅においてきたペットの安否、野菜の苗の管理、帆立稚貝の管理のため、昼間だけの一時帰宅も許可されない。

 

(2) 避難所の関係については

○畳かマットを敷いてほしい

○カーテン等で区切ってほしい

○男女別の更衣室を設置してほしい

○通路にテーライトを設置してほしい

○仮設電話を増やしてほしい

○深夜まで酒を飲んで騒いでいる者がいる

○老人を老人ホームに移したい等

 

(3) 年金、健保、雇用保険の保険料及び住宅公庫返済金の支払困難対策等生活関連事案

 

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避難所での行政相談風景

 

また、相談者が委員宅を訪れたり、電話での相談申し出も多数ありました。

受けた相談内容については、直ちに関係行政機関に連絡あるいは案内しましたが、大部分の要望事項は改善され、解決しました。

この度の相談活動の中で、行政相談委員制度を知らない住民が多くみられ、この相談活動を通じて、本制度の普及(広報)に多くの成果があったと思います。

 

おわりに

この度の有珠山噴火による災害では、国、道、市町村の各行政機関の職員及び全国からのボランティアの方々の不眠不休の活動に対して深く敬意を表します。

また、全国から寄せられた被災者に対する物資の援助、義援金に対しても、心から感謝してお礼を申し上げます。

あわせて、三宅島とその周辺の火山活動及び鳥取西部地震による被災者の方々に心からお見舞いを申し上げますとともに、火山活動及び地震活動が一日も早く鎮静化し、そして終息することをお祈り申し上げます。

(平成一二年一一月一日記)

 

 

 

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